DSC05761.JPG旅館の朝は騒がしい。自分は素泊まりだったので朝飯は無いから9時くらいまで寝てようかと思ったけど、あまりの騒々しさに8時には起きてしまった。深夜の震度3くらいの地震では何事も無かったかのような生活だ。
9時過ぎには出発してまずガソリンスタンドに行く。前日走った距離と入れたリットルを計算したらなんとリッター45キロも走るバイクだと判明。すばらしい!
神栖を出発して北上していくことにする。
DSC05763.JPG神栖から海岸沿いに鹿島臨海工業地域を行くと、液状化した道路が本当に酷いことに気づかされる。道路は通行できるくらい修復されているが、その周りの駐車場などアスファルトな部分はまだまだ波打ったままだ。津波が来たであろうお店などは1ヶ月以上たった今でも閉店したままだ。走りながら思ったのは港湾地区とか河口付近は被害が凄い。ただ、ここは大丈夫なのに、何であそこは?みたいなところも多い。多分津波の波紋の関係だろうか?詳しくはわからないが凄く明暗分かれている感じが辛い。
DSC05774.JPG昼前くらいに大洗に到着。大洗に入ってすぐくらいにあった健康ランドに行く。実は前日の旅館でうとうとしていた間にお風呂の時間を過ぎてしまい入れずじまいだったのだ。ってことで「潮騒の湯」って所に入った。通常の料金はわからないが、露天風呂が崩壊しているとの理由で使えないとの事で600円で入れた。最高。
ちなみにここでご飯も食べれるとの事だったので、昼飯に魚定食を食べた。これもまたボリュームあって良かった。何だかスゲーくつろいで時間をつぶしてしまったが、有意義な時間をすごさせてもらった。
健康ランドから大洗港までは10分ほど。AOJツアーで北海道に行くフェリーにG4Nと一緒に乗り込んだフェリー乗り場。思い出だってたくさんある場所だ。
駐車場も液状化してるし、立ち入り禁止の柵もあった。ここも津波が襲ったことは目で見てわかる。何だか凄く心に穴が開いた気分になった。
DSC05791.JPG大洗からしばらく行って久慈川の河口を渡ったところにあった港。ここにも瓦礫の山が積み上げられていた。ここに行く途中に東海村の原発の横を通ったわけだけど、このあたりは原発にちなんだ博物館的な観光施設がたくさんあった。なんだか複雑な気分だ。そして、今ここにすんで居る人たちにとって福島の事故は決して他人事ではないはずだ。
DSC05794.JPG古房地鼻とかっていう場所らしい。久慈川からちょっと北上したところにあった灯台の横にあった銅像。ぶっ倒れて台座がバラバラになっていた。こういったのを見ると津波もそうだが地震の規模の大きさもわかる。公園では家族連れが遊んでいたがそのギャップで凄く複雑な気持ちになった。本当ならみんなそんな感じで幸せを感じているいつも通りな毎日があったんだろうな・・って。
今回のもうひとつの目的地であった北茨城市に到着。この海岸沿いはテレビでも取材されてたほどだけど、本当に言葉にならないくらい酷い状況だった。もちろん写真に写っているところは酷いところだけど、無傷だったところもたくさんあった。この明暗の境目が本当にはっきりしているのも津波の被害なんだと思う。このあたりはまだ道路も工事中のところが何箇所かあって片側交互通行になっている。傷が深すぎる。
DSC05809.JPGそこから20分くらい行ったらいわき市に到着。いわき市といっても凄く広いんだけど、入ってすぐ位の場所。この辺の閑散とした雰囲気は異様に思えるくらい。ただ、町はいつもどおりの生活をし始めていることも事実。震災から1ヶ月半経ってそのままになっている建物と、一歩前に進んで今までどおりの生活を取り戻している町。前に進んでいることは間違いないと思う。だからこそ自分たちがその後押しをしなければならないんだと思う。
DSC05817.JPGいわきでは宿が取れなかったので、日立まで戻って本日の宿。こういった旅館スタイルの風呂もトイレも共同の宿ってSHACHIの時には使ってなかったけど、俺はこういったの結構好きかも。隣の部屋の音とかマジ気になる人は無理だと思うけど、俺なんてすぐ寝ちゃうから全然問題なし。宿は常陸多賀って所に取りました。
本日も190kmくらいの走行。約7時間。俺のケツも良く頑張った。
今回のこのツーリングで俺が言いたかったのは、自分なりの目線で見えた被災地の姿をこのブログを読んでくれている人たちに少しでも伝える事ができればと思って写真を撮ってきた。
観光客に混ざって撮ってるわけだから不謹慎じゃないかな?とか凄く葛藤はあったけど、形に残してこれを伝えるという事が自分にできる事だと思った。
今回のゴールデンウィークを使ってボランティアに行ってる人も相当居るみたいで、ボランティアだけであふれかえっているらしい被災地。
自分が行った場所はそれほど混みあっている感じは無い場所だったが、普段の生活を取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。だからこそ自粛ムードを打破して、観光客も含め人の流れが戻れば経済も刺激されて復興のスピードも上がっていくと信じている。
被災地の気持ちを考えてこその行動がおせっかいかも知れないけど、親切がなくなるよりいいと思う。こんな時こそネガティブじゃなくポジティブに色々とらえて行かなきゃ行けないと思う。